数学の参考書ルートは、「入門書で教科書レベルを理解→網羅系の参考書で典型問題の解き方を覚える→入試標準の問題集で演習→志望校レベルの問題集と過去問」の4段階で進めるのが基本です。2027年度入試は新課程の共通テストが始まって3年目で、ベクトルは数学Cに入るため、参考書の巻の分け方にも注意が必要です。
(2026年10月更新)
本記事の試験情報は、大学入試センターの「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等」、各大学の入試要項・試験科目の資料、各出版社の公式書誌ページをもとに作成しています。入試情報は公開情報/大学公式をもとに作成しています。最新情報は必ず大学公式でご確認ください。

2027年度入試の数学の範囲はどうなっている?
2027年度入試の数学は新課程で、旧課程の「数学B」にあった数列・ベクトルなどが、数学B(数列・統計的な推測)と数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)に分かれています。大学入学共通テストでは、数学②でこの4項目から3項目を選んで解答します。
試験 | 科目・範囲(2027年度) | 時間・配点 |
|---|---|---|
共通テスト 数学① | 「数学Ⅰ,数学A」または「数学Ⅰ」。数学Aは図形の性質、場合の数と確率の2項目を全部解答 | 70分・100点 |
共通テスト 数学② | 「数学Ⅱ,数学B,数学C」。数列・統計的な推測・ベクトル・平面上の曲線と複素数平面の4項目から3項目を選択 | 70分・100点 |
慶應義塾大学 経済学部A方式 | 数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C(ベクトル) | 200点 |
慶應義塾大学 商学部A方式 | 数学Ⅰ・Ⅱ・A(図形の性質、場合の数と確率)・B(数列)・C(ベクトル) | 100点 |
明治大学 政治経済学部(学部別入試) | 数学Ⅰ〜Ⅱ、A(図形の性質、場合の数と確率)、B(数列、統計的な推測)、C(ベクトル) | ― |
大学入試センターの発表によると、2026年度本試験の平均点は「数学Ⅰ,数学A」47.20点、「数学Ⅱ,数学B,数学C」54.52点でした。慶應義塾大学の経済学部A方式・商学部A方式は「数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C(ベクトル)」ですが、明治大学政治経済学部のように2027年度から「統計的な推測」を加える大学や、慶應義塾大学総合政策学部のように数学Cを含まない学部もあります。共通テストの範囲の詳細は共通テスト数学 2027 出題範囲まとめで解説しています。
数学の成績が伸びない原因は?
数学の成績が伸びない主な原因は、基礎が固まる前に難しい問題集に進むことと、解き方を「覚えた」つもりで自力で再現できないことです。
- 教科書レベルの公式や計算があいまいなまま、入試問題集に手を出している
- 解答を読んで理解しただけで、何も見ずに解き直していない
- 網羅系の参考書(チャート式など)を全問やろうとして、1周が終わらない
- 志望校の出題範囲(ベクトルや統計的な推測の有無)を確認していない
苦手意識が強い人は、先に数学の苦手克服の5ステップを読んでから、このルートに入ると進めやすくなります。
数学の勉強の順番は?
数学は、次の4ステップで進めます。各ステップで「何も見ずに解ける」状態にしてから次に進むのがポイントです。
- 入門:教科書レベルの公式・計算を、講義形式の参考書で理解する
- 基礎:網羅系の参考書で、典型問題の解き方を1題ずつ再現できるようにする
- 標準:入試標準の問題集で、典型問題を組み合わせた問題に慣れる
- 実戦:志望校レベルの問題集と過去問・共通テスト対策で仕上げる
時期(高3の目安) | やること |
|---|---|
4〜7月 | 入門〜基礎(数学Ⅰ・Aと数学Ⅱ・B・Cの典型問題) |
8〜9月 | 基礎の総復習と標準問題集 |
10〜12月 | 標準問題集の2周目、志望校の過去問、共通テスト対策 |
1〜2月 | 共通テストの予想問題・過去問、私大の過去問演習 |
時期は本記事の目安です。共通テストの数学対策の開始時期は共通テスト 数学 対策はいつからも参考にしてください。
おすすめ参考書ルートは?【段階別】
数学のおすすめ参考書ルートは、入門書→網羅系参考書→入試標準問題集→難関向け問題集の順です。書名は2026年10月時点の各出版社公式の表記をもとにした略記です。新課程対応版を選んでください。
STEP1:入門(教科書レベルを理解する)
参考書(出版社) | 対象レベル(目安) | 特徴・使い方 |
|---|---|---|
やさしい高校数学(数学Ⅰ・A)改訂版/(数学Ⅱ・B)改訂版(Gakken) | 数学が苦手な人、独学で始める人 | 会話形式の講義で概念を理解する。数学Cだけの分冊(やさしい高校数学(数学C))もある |
初めから始める数学(マセマ出版社) | 教科書レベルから学び直したい人 | 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・ⅢCの分冊。講義を読みながら例題を解く |
目安期間は1〜2か月です。全部読み切るより、苦手な単元から使い、例題を自力で解けるようにします。
STEP2:基礎(典型問題の解き方を覚える)
参考書(出版社) | 対象レベル(目安) | 特徴・使い方 |
|---|---|---|
数学Ⅰ・A 基礎問題精講 六訂版/数学Ⅱ・B+ベクトル 基礎問題精講 六訂版(旺文社) | 共通テスト〜中堅私大 | Ⅱ・B+ベクトルは183テーマで、数学Cのベクトルも収録 |
黄チャート(チャート式 解法と演習数学)(数研出版) | 中堅大学入試 | 公式のレベル表示は「入試中級」。例題の解説動画つき |
青チャート(チャート式 基礎からの数学)(数研出版) | 難関国公立・私大 | 公式のレベル表示は「入試上級」。例題が多いので、例題に絞って周回するのが現実的 |
新課程の青・黄チャートでは、ベクトルは「Ⅱ+B」ではなく「Ⅲ+C」または「C」単独の巻に入っています。文系でベクトルが必要な人は、C単独の巻なども必要になる点に注意してください。目安期間は2〜4か月です。
STEP3:標準(入試問題に慣れる)
参考書(出版社) | 対象レベル(目安) | 特徴・使い方 |
|---|---|---|
文系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B(数列)・C(ベクトル)四訂版(河合出版) | 難関私大文系・国公立文系 | 標準〜発展レベルの入試問題から典型・良問を厳選 |
理系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・C 四訂版(河合出版) | 国公立二次・私大理系 | 理系向け。数学Ⅲ・Cは別の巻 |
1対1対応の演習[三訂版](東京出版) | 難関大 | 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・C・Ⅲの6分冊。ベクトルは数学Cの巻 |
実戦 数学重要問題集 数学I・II・A・B・C〔ベクトル〕(文系)(数研出版) | 中堅私大〜難関大文系 | 209題で、まず「必解」142題から解く |
目安期間は2〜3か月です。解けなかった問題はSTEP2の参考書に戻って解き方を確認します。
STEP4:実戦(難関大・共通テストで仕上げる)
参考書(出版社) | 対象レベル(目安) | 特徴・使い方 |
|---|---|---|
数学Ⅰ・A標準問題精講/数学Ⅱ・B+ベクトル 標準問題精講 四訂版(旺文社) | 難関私大・国公立二次 | 標準問題精講のⅠ・Aは標問124題 |
数学Ⅰ+A+Ⅱ+B+ベクトル 上級問題精講 改訂版(旺文社) | 東大・京大・一橋大・東京科学大レベル | 最難関向け。167題(類題を含む) |
文系数学 入試の核心 新課程増補版(Z会) | 難関大文系 | 数学IA・IIB・C[ベクトル]の100題+新課程対策3題 |
短期攻略 大学入学共通テスト 数学Ⅰ・A/数学Ⅱ・B・C(駿台文庫) | 共通テスト対策 | 基礎編・実戦編がある |
共通テスト対策の仕上げには、駿台文庫『2027-共通テスト実戦問題集』などの予想問題集と過去問を使います。使い方は共通テスト過去問はいつから?と共通テスト 予想問題集おすすめで解説しています。
つまずきやすいポイントと対策は?
数学でつまずきやすいのは、新課程で巻の分け方が変わったことによる「範囲の抜け」と、参考書を変えすぎることです。
つまずき | 対策 |
|---|---|
ベクトルを勉強していなかった | 青・黄チャートはⅢ+C(またはC)の巻、基礎・標準問題精講はⅡ・B+ベクトルの巻に入っている |
統計的な推測が手薄 | 共通テストは4項目から3項目選択。志望大学の個別試験で範囲に入るかも確認する |
網羅系の1周が終わらない | 例題だけに絞り、解けない問題に印をつけて2周目で潰す |
問題集を次々に替える | 1冊を「何も見ずに解ける」まで繰り返してから次に進む |
やりがちなNG勉強法は?
数学でやりがちなNG勉強法は、解答を読んで分かった気になり、自力で解き直さないことです。
- 解説を読んだだけで次の問題に進む(翌日・1週間後に解き直す)
- 基礎が固まる前に過去問や難問集に取り組む
- 計算練習を省き、本番で計算ミスを重ねる
- 志望校で出ない範囲(数学Ⅲなど)に時間をかけすぎる
文系・理系で数学の参考書ルートはどう違う?
文系と理系の数学の参考書ルートの違いは、数学Ⅲ・Cの扱いです。私大文系は大学・学部ごとに範囲が違うため(慶應経済A・商Aはベクトルを含み、慶應総合政策は数学Cを含まない)、志望校の範囲に合わせて巻を選びます。理系は数学Ⅲと数学Cの平面上の曲線・複素数平面まで必要なので、Ⅲ・Cの巻(数学Ⅲ・C 基礎問題精講 五訂版、理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ・C 四訂版など)を加えます。
区分 | 主な範囲 | ルートの例 |
|---|---|---|
私大文系(数学受験) | 例:慶應経済A・商Aは数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C(ベクトル) | 基礎問題精講(Ⅰ・A、Ⅱ・B+ベクトル)→文系数学の良問プラチカ→過去問 |
国公立文系 | 共通テストの数学①②+個別試験 | 黄チャート→文系数学の良問プラチカ→文系数学 入試の核心 |
理系 | 数学Ⅰ〜Ⅲ・A・B・C | 青チャート→1対1対応の演習→理系数学の良問プラチカ(Ⅲ・C含む) |
慶應義塾大学の経済学部A方式・商学部A方式など、私大で数学を使う方式の対策は慶應文系数学の参考書ルートと慶應経済 数学の参考書ルートも参照してください。
志望校レベル別の到達目標は?
数学の到達目標は、志望校レベルによって最終的に仕上げる問題集が変わります。
志望校レベル | 到達目標(本記事の目安) | 仕上げの1冊 |
|---|---|---|
共通テスト中心・中堅私大 | 基礎問題精講または黄チャートの例題を自力で解ける | 共通テストの予想問題集・過去問 |
GMARCH・関関同立(数学受験) | 入試標準問題を時間内に解ける | 文系数学の良問プラチカ、実戦 数学重要問題集(文系) |
早慶・難関国公立 | 標準〜発展問題で部分点まで取れる | 標準問題精講、1対1対応の演習、入試の核心 |
早稲田大学政治経済学部は一般選抜で共通テストの「数学Ⅰ,数学A」が必須です。私大文系でも数学の基礎が必要になる場合があるため、志望校の要項で科目を確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 数学の参考書ルートは青チャートから始めるべきですか?
青チャートは公式のレベル表示が「入試上級」で、難関大向けです。数学が苦手なら、入門書や基礎問題精講・黄チャートから始め、例題を自力で解けるようになってから標準問題集に進むほうが確実です。
Q2. 青チャートは例題だけでもいいですか?
青チャートは例題の数が多いため、例題に絞って周回し、すべて自力で解けるようにするのが現実的です。演習量が足りないと感じたら、良問プラチカなどの入試標準問題集で補います。
Q3. 基礎問題精講のレベルはどれくらいですか?
基礎問題精講は、教科書の基本を終えた人が入試の典型問題を身につける段階の問題集です。共通テストや中堅私大の基礎固めに向いており、数学Ⅱ・B+ベクトル版は数学Cのベクトルも収録しています。
Q4. 文系数学の参考書ルートでおすすめの問題集は?
私大文系・国公立文系なら、基礎問題精講や黄チャートで典型問題を固めた後、『文系数学の良問プラチカ』や『実戦 数学重要問題集(文系)』で入試標準の問題に慣れるルートがおすすめです。
Q5. 新課程でベクトルはどの参考書に入っていますか?
新課程の青・黄チャートでは「Ⅲ+C」または「C」単独の巻、基礎・標準問題精講では「Ⅱ・B+ベクトル」の巻、1対1対応の演習では「数学C」の巻に入っています。購入前に書名と目次で確認してください。
Q6. 共通テストの数学の平均点は何点ですか?
大学入試センターの発表では、2026年度本試験の平均点は「数学Ⅰ,数学A」47.20点、「数学Ⅱ,数学B,数学C」54.52点でした(100点満点)。
まとめ|数学の参考書ルート3つのポイント
- 入門→網羅系(基礎)→入試標準→実戦の順に、各段階で「何も見ずに解ける」まで仕上げてから進む
- 新課程はベクトルが数学Cに入る。参考書は巻の分け方と新課程対応版かを確認して選ぶ
- 私大文系の範囲は大学・学部ごとに違い、理系は数学Ⅲ・Cまで必要。志望校の要項で範囲を確認する
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