東京科学大学(旧東京工業大学)の理工学系に合格するための参考書ルートは、数学・物理・化学・英語の4科目を「典型問題の習得 → 標準問題集 → 過去問」の順に固める流れです。2027年度入試の合否は個別テスト750点(数学300・物理150・化学150・英語150)で決まり、共通テストは第1段階選抜にのみ使われます。
(2026年9月更新) 入試情報は東京科学大学の公式情報と河合塾の分析をもとに作成しています。最新情報は必ず大学公式でご確認ください。

東京科学大学の2027年度入試はどんな仕組み?【旧東工大との関係】
東京科学大学は、2024年10月1日に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して発足した国立大学です。旧東工大にあたる理工学系は6学院で、2027年度の一般選抜(前期日程)は学院ごとに計813人を募集し、後期日程はありません。
合否判定に使うのは、個別テストの750点(数学300・物理150・化学150・英語150)です。共通テスト(1000点)は、志願者が募集人員の3.5倍を超えた場合の第1段階選抜(足切り)にだけ使われます(河合塾Kei-Net、東京科学大学の公表)。ただし、指定された教科・科目をすべて受験しないと出願できないため、国語・地歴公民・情報Ⅰの対策も必要です。日程は、共通テストが2027年1月16日・17日、個別テストが2月25日・26日です。日程は予定のため、東京科学大学の入試日程で確認してください。
東京科学大学の入試で伸び悩む原因は?
主な原因は、答えを見る前に考え抜く練習と、答案を最後まで書き切る練習が足りないことです。河合塾の2026年度入試の分析では、数学は全問記述式、物理は導出過程を書かせる問題が多いなど、答案を書く力を問う出題が中心です。
- 数学:試験時間180分・大問5題で、全問記述式です。河合塾は、分からない問題もすぐに解答を見ず粘り強く考えることと、解答を見た後に後日最後まで解き切ることを対策としています
- 物理:導出過程を書かせる問題が多く、目新しい題材や設定の問題、問題量・文章量の多さが特徴です(河合塾)
- 化学:標準的な練習問題を全分野で十分にこなす対策が中心です。河合塾は、難問演習はあまり意味がないとしています
- 英語:試験時間90分で、3,000語を超える長文2題に、下線部和訳・和文英訳・内容説明が出ます。読む速さに加え、日本語と英語を変換する力が必要です
東京科学大学合格の勉強の順番は?【王道ルート4ステップ】
勉強の順番は、STEP1で基礎と典型問題を固め、STEP2で標準問題集、STEP3で過去問、STEP4で答案の仕上げに進む流れです。河合塾の学習対策(典型問題を確実に解けるようにしてから難しい問題へ、標準問題を十分に、過去問で解答形式に慣れる)とも一致します。
STEP | 目的 | やること |
|---|---|---|
STEP1 | 基礎・典型問題の習得 | 数学は網羅型の問題集で典型問題を、物理・化学は講義系の参考書で基本法則と理論を固める。英語は単語・文法・構文 |
STEP2 | 標準問題集で入試レベルへ | 数学・理科は標準的な入試問題集を1冊ずつ仕上げる。英語は長文と和文英訳の演習を始める |
STEP3 | 過去問で形式に慣れる | 制限時間を測り、記述答案を書き、公式の出題意図や解説と照らし合わせる |
STEP4 | 直前期の答案仕上げ | 過去問の解き直し、共通テスト対策、答案の書き方の見直し |
次の時期別スケジュールは、共通テストが2027年1月16日・17日、個別テストが2月25日・26日であることから逆算した、本記事の学習計画例(目安)です。大学や予備校の公表値ではありません。
時期 | 数学 | 物理・化学 | 英語 |
|---|---|---|---|
高2の終わりまで | 数学I・A・II・B・Cの典型問題 | 講義系の参考書で全範囲を一巡 | 単語・文法・構文の基礎 |
高3の春〜夏 | 数学IIIの典型問題と標準問題集 | 標準問題集を1周目 | 長文と和文英訳の演習開始 |
高3の秋 | 標準問題集の2周目と過去問開始 | 標準問題集の2周目と過去問開始 | 過去問と超長文の時間配分 |
12月〜共通テスト | 過去問の解き直し | 過去問の解き直し | 過去問の解き直し |
共通テスト後〜2月 | 答案の書き方を最終確認 | 頻出分野の総点検 | 和訳・英訳・内容説明の最終確認 |
おすすめ参考書ルートは?【科目別・段階別】
おすすめの参考書ルートは、科目ごとに「基礎 → 標準 → 過去問」の3段階で組みます。書名・版・出版社は書店・出版社のページで確認したものです。特徴に書いた使い方は学習法の提案で、目安期間も含めて出版社や大学の公表値ではありません。参考書は改訂されるため、購入前に最新版を確認してください。
数学(配点300点・全科目で最大)
段階 | 参考書(出版社・版) | 使い方・目安 |
|---|---|---|
STEP1 | 『チャート式 基礎からの数学』シリーズ(数研出版) | 出版社は教科書レベルから入試対策までの内容と案内。例題を自力で解いて典型問題を固める。数学IIIまで含め約3〜4か月 |
STEP2 | 『大学への数学 1対1対応の演習』三訂版(東京出版・全6巻) | 標準〜応用の入試問題で解法の引き出しを増やす。新課程対応の有無は購入前に出版社で確認。約3か月 |
STEP2 | 『理系数学 入試の核心 標準編 新課程増補版』(Z会) | 150題を50回で学習する構成で、数学III・Cを重点的に扱う。新課程で期待値・統計的な推測の3題が追加。約3か月 |
STEP2 | 『[実戦]数学重要問題集 数学I・II・III・A・B・C(理系)』2026年版(数研出版) | 毎年改訂されるため最新年版を選ぶ。分野別の演習用 |
STEP3 | 『東京科学大[理工学系]の数学20カ年』(教学社) | 前期日程の20カ年分(2006〜2025年度)。180分で解いて記述答案を作る |
物理(配点150点)
段階 | 参考書(出版社・版) | 使い方・目安 |
|---|---|---|
STEP1 | 『物理のエッセンス』五訂版(河合出版) | 力学・波動、熱・電磁気・原子の2冊。基本法則と原理の理解を固める。約2か月 |
STEP2 | 『良問の風 物理 頻出・標準 入試問題集』三訂版(河合出版) | 副題のとおり頻出・標準の入試問題集。約2か月 |
STEP2 | 『名問の森 物理』四訂版(河合出版) | 力学・熱・波動I、波動II・電磁気・原子の2冊。導出過程を書く練習に使う |
STEP2 | 『物理[物理基礎・物理]標準問題精講』七訂版(旺文社) | 解説を読み込み、途中式まで自分で書けるようにする |
STEP3 | 『東京科学大[理工学系]の物理20カ年』(教学社) | 大問3題120分の形式で時間を測って解く |
化学(配点150点)
段階 | 参考書(出版社・版) | 使い方・目安 |
|---|---|---|
STEP1 | 『鎌田の理論化学の講義』三訂版(旺文社) | 理論分野の理解を固める。河合塾は出題のウェイトを理論、有機、無機の順としている。約2か月 |
STEP2 | 『鎌田の化学問題集 理論・無機・有機』改訂版(旺文社) | 標準的な練習問題を全分野で繰り返す。約3か月 |
STEP2 | 『化学[化学基礎・化学]標準問題精講』七訂版(旺文社) | 標準問題の仕上げ。解けなかった問題に印を付けて解き直す |
参照用 | 『理系大学受験 化学の新研究』第3版(三省堂) | 疑問点の確認用に手元に置く |
STEP3 | 『東京科学大[理工学系]の化学20カ年』(教学社) | 収録は2006〜2025年度。解答の形式に慣れる |
英語(配点150点)
段階 | 参考書(出版社・版) | 使い方・目安 |
|---|---|---|
STEP1 | 『システム英単語』5訂版(駿台文庫) | 単語を先に固め、長文演習と並行して復習する |
STEP1 | 『入門 英文法問題精講』4訂版(旺文社) | 書名のとおり入門の文法書。約1〜2か月 |
STEP1〜2 | 『英文解釈の技術100』(桐原書店) | 構文を正確に取る練習。下線部和訳の土台にする |
STEP2 | 『大学入試 英語長文ハイパートレーニング レベル3 難関編』(桐原書店) | 難関編のレベル3。制限時間を決めて読む |
STEP2 | 『大学入試 英作文ハイパートレーニング 和文英訳編』新装版、『大学入試 最難関大への英作文ハイパートレーニング』新装版(桐原書店) | 和文英訳の演習。英語の構造が見える日本語が出される形式に合わせる |
STEP3 | 『東京科学大[理工学系]の英語20カ年』(教学社) | 大問2題を90分で処理する練習 |
過去問は、公式サイトにも2026年度前期の数学・物理・化学の問題と出題意図が掲載されています(英語は出題意図のみ)。
つまずきやすいポイントと対策は?
つまずきは、「解けるのに得点にならない」「時間が足りない」の2つに集約されます。対策は河合塾の学習対策をもとに整理しています。
つまずき | 対策 |
|---|---|
数学の答案を書き切れない | 過去問は時間を測って解く。解答を見た後は、後日、最後まで自力で解き切る |
物理の新しい設定の問題で手が止まる | 標準問題で基本法則を固めたうえで、定性的な考察・グラフ化・近似計算を練習する(河合塾Kei-Net) |
化学が安定しない | 難問に進まず、全分野の標準的な練習問題を十分にこなす。過去問で解答形式に慣れる |
英語の長文で時間が足りない | 2026年度の河合塾の目安は大問Ⅰ約50分、大問Ⅱ約40分。まず正確に読む力をつけてから速読の練習に進む |
下線部英訳が書けない | 与えられた日本語から英語の構造を読み取る練習をする。和文英訳の演習書で型を身につける |
やりがちなNG勉強法は?
失敗しやすい勉強法は次のとおりです。
- 化学で難問集ばかり解く(河合塾は標準問題の確実な得点が重要としている)
- 数学の問題を解けないとすぐ解答を見る
- 過去問を直前期まで取っておき、記述形式に慣れる時間が足りなくなる
- 共通テスト対策を後回しにする(3.5倍を超えた場合は足切りが行われることがあり、指定科目をすべて受験しないと出願できない)
- 英語を長文だけで練習し、和文英訳と内容説明の練習をしない
具体例:東京科学大学の英語長文と和訳・英訳はどう解く?
英語の練習は、長文を読んだあとに下線部和訳・内容説明・和文英訳を書く手順を型にすると安定します。河合塾の2026年度入試の分析では、大問Ⅰが約2,036語「科学研究におけるバイアス」、大問Ⅱが約1,268語「都市の移動手段の多様性」でした。設問は下線部和訳4問、和文英訳2問、内容説明(大問Ⅰ70字以内・大問Ⅱ35字以内)、文空欄補充、内容一致です。
練習の手順例(本記事の提案)は次のとおりです。
- 制限時間を大問Ⅰ約50分、大問Ⅱ約40分に設定して読む
- 下線部和訳は、文の骨格(主語・動詞・修飾関係)を取ってから日本語に整える
- 内容説明は、字数制限に合わせて根拠の箇所を要約する
- 和文英訳は、与えられた日本語が英語のどの構文になるかを考えてから書く
- 解答後、和訳と英訳を模範解答や解説と照らして直す
志望校レベル別の到達目標は?
到達目標は、二次の偏差値と共通テストの足切りラインの2つで考えます。河合塾Kei-Netの2027年度入試では、6学院とも二次ボーダー偏差値は65.0です。共通テストのボーダー得点率は学院により79〜82%で、これは第1段階選抜の目安であり、合否ラインではありません。
目標 | 内容 |
|---|---|
二次(750点) | 河合塾Kei-Netの二次ボーダー偏差値は65.0(2027年度入試の表示) |
共通テスト(1000点) | ボーダー得点率は79〜82%(学院により異なる)。足切りは3.5倍超で行うことがある |
併願(私大) | 早稲田大学の基幹理工・創造理工・先進理工は2027年2月16日(創造理工学部建築学科の空間表現試験のみ2月17日)、慶應義塾大学の理工学部は2月12日、東京理科大学のB方式(昼間学部)は2月2日〜8日 |
東京科学大学の個別テストは2月25日・26日のため、早稲田理工・慶應理工と日程は重なりません。ただし慶應理工の合格発表(2月24日)は科学大の個別テストの前日、早稲田理工の合格発表(2月27日)は翌日です。東京理科大学のB方式は、公式の日程表で昼間学部の試験日が学部・学科ごとに2月2日〜8日で、いずれも科学大の個別テストより前です。
私大の対策は、早稲田大学の参考書ルート、慶應義塾大学の参考書ルート、東京理科大学の参考書ルートも参考にしてください。併願校の選び方は併願校の決め方で解説しています。
現高2(2028年度入試)から変わる点は?
現高2が受ける2028年度入試(令和10年度選抜)では、共通テストの扱いや試験時間が変わる予告が出ています。東京科学大学の予告(2025年7月15日付)によると、変更点は次のとおりです。2027年度入試には適用されません。
項目 | 変更前(2027年度) | 変更後(2028年度入試) |
|---|---|---|
合否判定 | 個別テスト750点のみ | 第2段階選抜で共通テスト(1000点を150点に換算)と個別テスト750点を合算(比率1:5) |
数学の試験時間 | 180分 | 150分 |
理科の試験時間 | 各科目120分 | 各科目90分 |
理科の受験科目 | 物理・化学 | 生命理工学院のみ、化学(必須)+物理または生物を選択可 |
詳細は必ず当該年度の大学公式の発表で確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 東京工業大学と東京科学大学は同じですか?
2024年10月1日に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して発足したのが東京科学大学です。旧東工大にあたる理工学系は、理学院・工学院・物質理工学院・情報理工学院・生命理工学院・環境・社会理工学院の6学院です。
Q2. 東京科学大学の偏差値は?
河合塾Kei-Netの2027年度入試では、理工学系6学院とも二次ボーダー偏差値は65.0と表示されています。合格最低点は、本記事の作成時点で公式の公表を確認できていません。
Q3. 東京科学大学の共通テストの比率は?
2027年度入試は、共通テストを第1段階選抜にのみ使い、合否は個別テスト750点で判定します。2028年度入試からは、共通テスト150点換算と個別テスト750点を合算する比率1:5に変わる予告が出ています。
Q4. 東京科学大学の数学はどのくらい難しいですか?
試験時間180分・大問5題・全問記述式です。河合塾は2026年度入試を「かなり難しい問題が増えた一方、易しい問題もある」と評価しています。配点は300点で、4科目の中で最大です。
Q5. 東京科学大学の英語の対策は?
90分で3,000語超の長文2題を読み、下線部和訳・和文英訳・内容説明に答えます。河合塾は、和訳・英訳・内容説明の変換力と、正確に読む力を土台にした速読・時間配分の練習を対策としています。
Q6. 東京科学大学の過去問はどこで見られますか?
公式サイトに2026年度前期の数学・物理・化学の問題と出題意図があります。英語は出題意図のみの掲載です。市販では教学社の赤本と、難関校過去問シリーズ「東京科学大[理工学系]の数学20カ年」などがあります。
まとめ|東京科学大学合格のための3つのポイント
- 2027年度入試は個別テスト750点で合否が決まる。共通テストは足切り(3.5倍超で行うことがある)だが、指定科目をすべて受験する必要がある
- 数学300点・物理150点・化学150点・英語150点を、基礎→標準問題集→過去問の順に固める。記述答案を書き切る練習を早めに始める
- 現高2は2028年度入試から共通テストが1:5で加わり、数学・理科の試験時間が短くなる予告が出ている。早稲田理工・慶應理工などの併願日程は早めに確認する
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